演劇×劇場×文化施設建築

2010-02-04

高崎市 群響などの拠点、新ホール建設へ 

高崎市は、老朽化で建て替えるかどうか議論になっていた群馬音楽センターを存続させ、新たな芸術コンサートホールを建設する方針を固めた。3日、市議会総務常任委員会に報告した。来年3月までに基本構想をまとめ、2016年春の完成を目指す。

市はこの日の報告で、「音楽センターは老朽化し、他都市の施設と比べても音響効果が劣り、コンサートの入場者が減少傾向にある」と指摘。市民の文化音楽活動や群馬交響楽団の本拠地として、新たな施設が必要と結論づけた。

新ホールは、現在の音楽センター(1932席)とほぼ同規模の客席1800〜2000席。クラシックを中心に、ポピュラーや演劇などにも対応できる多目的ホールとして整備する方針。建設地は未定。事業費は100〜150億円を見込む。

基本構想をまとめるにあたっては4月以降、ホールの建設や運営に詳しいコンサルタントと契約する一方、専門家市民、関係団体などでつくる委員会を設置し、市民の意見を集約する。

曽根豊市長公室長は「音楽センターを建て替えると、施設の撤去にも費用がかかるうえ、ホールのない空白期間が生じ、群響の演奏活動に与える影響も大きい」と説明。新ホール建設の財源については「旧群馬町などとの合併による合併特例債を活用すれば、市の持ち出しは約3分の1に抑えられる。県にも協力を求めたい」と話した。

群馬音楽センターは1961年、市民寄付などをもとに建てられた。「音楽のまち高崎」のシンボルになっている。建築家アントニン・レーモンドの代表作の一つで市は都市景観重要建築物に指定しており、市民の間でも保存を望む声が強かった。

ただ音楽センターを継続して使うには今後も改修工事が必要となる。市は2000席規模のホールを二つ抱えることになり、維持費の負担などが課題になりそうだ。

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